生産者紹介
大学時代に起業、いちご農家 Ichigo Lab Izumisano 加茂嵩人
2024.6.25今回は泉佐野市にある、いちご農園のご紹介です。開業2年目の新しくきれいな施設で、こちらを運営されている加茂さんは大学時代にいちご農園をはじめられたというフレッシュさ。色々とお話を伺って来ました。
Ichigo Lab Izumisano
代表 加茂嵩人(KAMO SHUTO)
大学時代から始めたいちご栽培
―こちらはいつ頃から営まれているのでしょうか。
当園は2022年12月に開園しました。15アールの農園を、家族3名とお手伝い3名の計6名で運営しています。いちごの品種は今年から7種類になりました。
スマート農業にも力を入れていて、自分でユビキタス環境制御システムの構築までしています。クラウドに上げるようなシステムと違って、有線LANを使用しているので非常に安価で構築出来ました。
―それはすごいですね。いちご農園はどのようなきっかけで始められたのでしょうか。
きっかけは、大学で施設園芸栽培の環境制御を研究していたことです。さらに祖父が専業で農業をしていて、僕は長男なのでいずれ継がないといけないのであれば、大学生がやっているという話題性もほしかったので、在学中に起業しようと思いました。
では何を栽培するかですが、この辺りは関空に近く、新築の家がたくさん建ってきていてファミリー層も多く、いちご狩り農園を営むのに向いていると考えました。それにいちごは汎用性が高く、ケーキなどにも使えるので需要も安定しています。いちごはもともと好きでしたが、いちご農園を開業してさらに好きになりました。
―しかし最初はやはり苦労されたのではないでしょうか。
研修は和泉市のいちご農園で学びました。2年間研修を受ける予定でしたが、実際に作りながらの方がいいなと思い、半年で切り上げ自分で農園を始めました。わからない事があったら都度教えてもらったりしながらで、最初は色々と苦労はありました。
大学では栽培より管理、つまりビニールハウスの環境を制御するようなことを学びましたが、売る方の知識があまりなくて、販路開拓にはとても苦労しました。色んな方に助けてもらいながら、なんとかやっています。
試行錯誤を重ねるいちごの品種
―先程7品種のいちごを育てているとお聞きしましたが、いちごの種類を教えてください。
今年は『かおり野』『章姫』『よつぼし』『紅ほっぺ』『おいCベリー』『やよい姫』『エンジェルエイト』の7品種を育てました。
観光農園としてその場で食べていただくいちごと、販売用のいちごでは向き不向きがあるため、品種については毎年試行錯誤しながら栽培しています。それに現地で食べていただくにも、色々な種類があった方が食べ比べが出来て楽しいですからね。1年に1回しか試せないのがもどかしいところではありますが、お越しいただいた方に美味しいいちごを食べてもらえるよう日々研究しています。
―ちなみに加茂さんの好きな品種は?
私は『おいCベリー』が好きですね。味が濃いんです。来園していただくお客様の嗜好も色々特徴があって、女性やお子様は酸味の少ない甘みが強めの品種を好まれますね。『章姫』や『かおり野』がこれにあたります。
『エンジェルエイト』は白いちごで、育てるのは大変ですが見栄えがいいので人気です。
―今年はどれぐらいの来園がありましたか。
1月の中旬から5月の末までで、約4,000人の方がいちご狩に来てくださいました。海外の方も、10%ぐらいの割合で来ていただいています。国別では台湾が多く、ヨーロッパの方もちらほらといった感じです。品種が多い事や、施設が新しくてきれいという事でご好評をいただいております。
充実の加工品
―ドレッシングやスムージー、チョコレートなどの加工品についてもご紹介ください。
いちごは熱を入れるとすぐに色が落ちるんですが、このドレッシングはスチームで瞬間的に加熱して色落ちしないよう特殊な製法で作っています。
―たしかに、とてもきれいな色合いですね。
サラダやお肉にもとても良く合うのでぜひ試していただきたいです。
生のいちごをチョコレートでコーティングしたスイーツもバレンタイン限定で100セット販売しています。予約は2週間前からで、来年も販売予定です。おいしいのでぜひ食べてみてください。
自社農園カフェ開業をめざして
―いちご農園の今後の展開について教えてください。
ずっとカフェをしたいと思っているんです。『自社農園カフェ』という響きにとても憧れていて、近いうちに必ず実現するつもりです。
―それは楽しみですね。自社農園カフェのいちごパフェ、ぜひ食べてみたいです。
いちご狩りが1~5月、メロン販売が7~8月(※こちらは狩りではなく販売メイン)なんですが、
カフェは通年でやりたいと思っています。それと、いずれはメロン狩りもやってみたいですね。
―いちご用のハウスでメロンを育てているのは珍しいですね。
大阪では他にないと思います。土の量が違うので育てるのはとても難しいんです。しかし昨年は良い感じに育てることができたので、今年も頑張って3品種を栽培しています。他には、とうもろこしも1万本以上栽培しています。
―それはますます農園カフェのオープンが楽しみです。本日はありがとうございました。