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生産者紹介

本物の美味しさを求めて Special Food J 松田武昭

2023.6.14

2019年のG20大阪サミットの晩餐会のメニューにも採用されたなにわ黒牛。
株式会社Special Food Jでは、ブランド牛としてなにわ黒牛の生産や牧場経営、販売までを一手に担っています。
株式会社Special Food J 松田武昭

大阪のブランド牛『なにわ黒牛』

まずはなにわ黒牛について、教えていただけますでしょうか。
定義としては、大阪産黒毛和牛で、牛枝肉格付け成績3等級以上の雌牛を指します。一般の黒毛和牛(生後月齢26~28か月)と比較して、なにわ黒牛は生後月齢30か月以上の長期肥育となっております。生後8か月の仔牛の段階から、反芻動物(胃袋が4個)の特性を生かし、草中心の自然に近いストレスのない環境で肥育し、段階的に肉作りをします。そうする事で、とろけるような舌ざわりと脂の甘みや深い旨味が生み出されます。雌牛に限定しているのは、雄より筋肉繊維が細く肉質が柔らかいからです。
なにわ黒牛は、高齢者でも食べやすいほど柔らかい牛肉なんですよ。ただ雌牛は雄牛に比べて体が小さく、頭数も少ないため希少です。だから経営効率だけを考えれば雄牛を肥育した方が良いのですが、そこは味を重視して雌牛だけにこだわっています。
もう少し専門的な話をすると、品種についても不飽和脂肪酸を多く持っている素質の牛を選んでいます。畜産研究所や大学の研究機関で色んなアドバイスを受け、反芻動物である牛の4つの胃袋どう活性化していくのか、ということに長年研究を重ねています。

惜しみない牛への愛情

―先程牛舎を見学させていただきましたが、こちらの牛はとてもおだやかで、人懐っこい感じでしたね。普段から愛情いっぱいに大切に育てられているのがよくわかりました。
最初から利益を追求するような飼育は良くないですね。愛情込めて本来の良さを引き出す事が大事だと思っています。私はこれを『ビタミン愛(アイ)のコントロール』と呼んでいます(笑)
ストレスを与えないのがおいしいお肉の秘訣で、出来るだけ自然に、牛がゆったりと過ごせることを常に考えています。ここの牛は人懐っこいでしょう?
ーはい、初めての私にも警戒する事なく、ペロペロと舌で手を舐められました(笑) 松田さんが牛舎に入ると、餌をあげるわけでもないのに牛たちが松田さんの方に顔を出して来て、信頼関係を感じました。

大阪府唯一のなにわ黒牛牧場

大阪府で数か所しか育てている牧場がないとの事ですが、この辺りの経緯を教えていただけますでしょうか。
元々は高橋さんという方が飼育されていたのですが、高齢のため譲り受けました。その時の1頭からはじめて、現在は200頭まで増やしました。大阪府では一番大きな牧場です。

かなり希少な牛で肥育期間も長いとなると、なかなか出荷を増やすのは難しそうに思えますね。
以前は月5頭でしたが、現在は大体月に7~8頭を出荷しています。肉質にこだわったお客様に引き合いをいただいているので、可能な限り今後も増やしていきたいとは思っています。
それに今は20代の若い子たちが5名、牧場に働きに来てくれていますので、さらに牧場も発展させていければと思います。 また、牧場を経営するのは近隣の方の理解が不可欠なんですが、阪南市のみなさんはとても好意的で、応援してくださっていることにとても感謝しています。

なにわ黒牛を味わうには

ホームページを拝見すると、名だたるホテルや名店でなにわ黒牛を味わう事ができるようですね。
先程申し上げた通り、コストパフォーマンスは非常に悪い肉牛です。だから通常の市場競争に巻き込まれると商売にはなりません。なので、なにわ黒牛は全て直取引をしています。
ありがたい事に、品質の良さが口込みでどんどん広がって、結果的にたくさんの高級店やレストランで採用いただいています。

―名店で味わうのも良いですが、家庭でも調理して食べてみたくなりますね。
以前は小売りはしていなかったんですが、そういった声も多くて、最近は小売りもするようになりました。ホームページからの購入が可能となっています。

―それはうれしいですね。おすすめの食べ方も教えてください。
なにわ黒牛はどのように食べても美味しいですが、やはり塩、コショウでそのまま焼いて食べるのがおススメです。肉の味が一番わかる食べ方だと思います。
通常の牛肉より低い融点を持つため、ジューシーながら脂っぽさがなく後味あっさりの口溶けが堪能できますよ。

松田さんの肉に対する深い愛情が感じられるインタビューでした。ぜひ皆様も、なにわ黒牛を味わってみてください。

Shop Data / 店舗情報

株式会社 Special Food . J

公式サイト https://naniwabeef.base.shop/

執筆者名

編集部

うまい!泉州編集部

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