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生産者紹介

親子で無農薬にんにく作り ヒロシのにんにく 組口親子

2023.6.23

大阪のにんにくの生産量は、全国の中でも1%以下程度だといわれています。そんな貴重なにんにく農家を親子2人でされている『ヒロシのにんにく』を、阪南市に訪ねました。
ヒロシのにんにく 組口博司 組口由香

ヒロシのにんにくの由来

―『ヒロシのにんにく』というのは特徴的なネーミングですね。これはどなたの発案でしょうか。
由香:発案はわたしです。お父さんがヒロシなので、お父さんの名前にしたら面白いかなと思って『ヒロシのにんにく』にしました。
それと、ネットでも検索されやすいんじゃないかなと思いました。

博司:私は別にいいんじゃないかな、やったらいいやん、ぐらいの感じでしたね(笑)

―それではにんにく農家をはじめたきっかけを教えてください。
博司:もう7、8年になります。息子が当時広島で農業をやっていて、「広島でもにんにくができるよ」と教えてもらったことがきっかけで、ちょっと作ってみようかなという感じで始めました。そしたら意外といいにんにくができたんです。土が合っていたのかも知れません。

由香:こんないいにんにくができるなら本格的に作ろうということで、最初は60個ぐらいを作りました。わたしは普段、気功整体師をしていて、できたにんにくをお客様に食べてもらったところ、大変好評で、さらに150個ぐらいを栽培しました。次は600個。現在は2,300個まで増やしています。
あっという間に口コミで広がって、Instagramに投稿したところ、泉佐野のイタリアン『kichi kichi(キチキチ)』さんの目に留まり直接連絡をいただきました。その時に、このにんにくの名前を決めようと思い『ヒロシのにんにく』というブランド名が誕生しました。

無農薬へのこだわり

―こちらではホワイト6片(ろっぺん)というブランドにんにんくと、ノーブランドのにんにくの2種類を栽培されていらっしゃいますね。
由香:6片は通常のにんにくよりも濃厚で甘味があって、栄養がぎっしり詰まっています。ですが東北の寒い地域で作られている品種なので、こちらの温暖な気候で作るのはとても難しいんです。なので並行してノーブランドのにんにくも作っています。

博司:ノーブランドのにんにくも、うちのは普通のにんにく独特のえぐ味や苦味はありません。

由香:無農薬、化学肥料不使用なので、雑味が無く大地の栄養をそのまま凝縮した旨味を感じて頂けるのが、うちのにんにくの特徴です。
肥料過多にしない、自然にできるものを作りたいという思いで無農薬にはこだわっています。化学肥料を使った方が大きさも大きくて、たくさんのにんにくが採れるのでジレンマもあるんですけどね。

博司:化学肥料を入れてみた事もあるんですが、土が砂漠みたいに異常に乾燥したんです。何にも入れなかった土は、草が生えて土もふわふわになって、とてもいい感じになりました。難しいもんですね。

もっとも大変な畝づくり

―にんにくづくりはどういったことが大変でしょうか
博司:にんにくの旬は5~6月です。収穫が終わり9月には畝を作って牛糞堆肥や有機物を入れて準備をしておかないといけないので、あまり休む暇がありません。

由香:その畝づくりが一番大変なんです。私は一番キライな作業です(笑)

博司:畝の高さは水と空気のバランスが大事なんです。例えば雨が降って何日も水が抜けないような畑はダメ。この土地は元々田んぼだったから、下の方には粘土層があります。低い畝だと水が抜けないから、うちは高めに作っているんです。

生えてくる雑草や草刈りについても、きれいにしてしまうと夏の暑さで乾燥してしまう。草があることで、朝露の水分を保持できたり、直射日光から守ってくれるんです。
それとにんにくは土に埋まっているから、外からはどうなっているのかわからないという難しさもあります。獲れたものを見て判断するしかありません。

由香:先程も言いましたが、自然栽培にこだわると小さくなるし、獲れる個数は減ります。でもそうやって手間暇かけて、身体によいものにこだわって作っています。
その分値段は高くなりますが、買ってくれた人はみんな他のにんにくとは違うと言ってくれます。
値段なりの価値はあると思っています。

ヒロシのアヒージョ

―購入できる場所や食べられる場所を教えてください。
由香:食べられる場所は岸和田市春木町の『海鮮処 椿』と泉佐野市の『kichi kichi(キチキチ)』この2店舗のみです。「海鮮処 椿」では『ヒロシのアヒージョ』というメニュー名でごま油でアヒージョした料理が季節限定で食べられます。
買えるのは直接販売のみです。うちのInstagramにダイレクトメッセージを送っていただいたり、知り合いから直接連絡をもらって販売しています。

―どういった食べ方がおすすめでしょうか。
由香:アヒージョ(オリーブオイルとにんにくで食材を煮込んだ料理)にしてフランスパンで食べるのがおすすめです。まずアヒージョのオイルをフランスパンに塗って、やわらかくなったにんにくを潰したものと、一緒に入ってる野菜をフランスパンにのせます。そこにすこ~しハチミツを垂らして食べるのが私のおすすめです。

―それは美味しそうですね。今後の展望についてもお聞かせください。
由香:阪南市でにんにくを作る人が増えてほしいなと思っています。化学肥料を使わない、阪南市の自然の中で無農薬で育てられた本当に身体にいにんにくをみんなで作って広めていきたいですね。

インタビュー中も微笑ましいやり取りの中に、親子の仲の良さが見て取れました。お父様は優しくて控えめ、娘さんはフットワークが軽く元気いっぱいで、とても素敵な笑顔のお2人でした。

Shop Data / 店舗情報

ヒロシのにんにく

公式サイト https://www.instagram.com/hiroshi_no_ninniku/

執筆者名

編集部

うまい!泉州編集部

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