うまい泉州 大阪泉州の食の総合サイト

未分類

地域とともに漁福連携を 漁師鮮度 岩井克巳

2023.6.14

今回は地域のプラットホームを目指して多角的に事業を展開されている、「漁師鮮度」という名前の企業でお話をお伺いして来ました。
漁師鮮度
代表取締役 岩井克巳

牡蠣小屋からはじまった漁師鮮度

―まずは漁師鮮度設立の経緯について教えてください。
西鳥取漁業協同組合では、2016年より「波有手(ぼうで)の牡蠣」として本格的な牡蠣の養殖を開始し、2017年に大阪府下初の漁協直営の牡蠣小屋として開店しました。
しかし漁師が兼業で牡蠣の養殖をするのは大変で手間もかかるということで、環境調査のコンサルティングをしていた私に相談がありました。そこで私がこの事業を引き継ぎ、株式会社漁師鮮度として2021年9月30日に設立しました。
現在は牡蠣小屋を地域のプラットホームとした観光漁業を中心に、魚食普及イベントなども開催して、人が集い共に楽しめる場所づくりを目指しています。

漁師鮮度6つの事業

―牡蠣小屋からはじまり、現在はさまざまな事業を手がけられているのですね。
現在の事業は主に6つに分かれます。

・牡蠣の養殖事業・・・年間を通じた養殖管理と出荷
・牡蠣小屋の運営・飲食事業・・・地域雇用を活かした牡蠣小屋の営業、飲食提供
・水産物加工・販売事業・・・・水揚げされた魚介類、牡蠣の販売、ネット注文販売
・観光漁業事業・・・すだて遊び、定置網漁体験、底引き漁体験など
・マリンアクティビティー事業・・・シュノーケリング・ダイビング・釣など
・環境保全事業・・・アマモ場再生、ブルーカーボンの創出、調査研究支援など。

という事業態です。

すだて遊びの体験は大阪府初との事ですが、事業化に至った経緯を教えてください。
千葉の木更津すだて遊びを見て、「これはおもしろい!これやろう!」と思ったのがきっかけです。
多種多様な生き物が生息する大阪湾南部海域の豊かさを知ってもらい、魚食を通じた豊かな海の重要性と、その環境保全の大切さを体感してもらう事業として、大変好評をいただいています。

―牡蠣小屋は我々も取材させていただきましたが、大変盛況でしたね。
牡蠣小屋はとても人気があって、開業当初からたくさんの方にお越しいただいています。今年は週末のみのオープンとしていましたが、お客様が多い時は3時間待ちという日もありました。来年は平日の開催も考えたいと思っています。

―それはうれしいですね。とても美味しくて、来年も行きたいと思いました。
これは持論なんですが、牡蠣は火が入っている方が絶対に美味しいと思うんですよ。特に焼きや蒸しにすると、甘味が出てきて最高です。生ももちろん美味しいですが、牡蠣の風味が強過ぎるように感じるんです。それが火を入れることで、風味は残りつつもカドが取れてマイルドになります。私は、中でも焼きより蒸しをお勧めしますね。

漁福連携をめざして

―今後、事業をどのように発展させてゆかれるか、展望をお聞かせください。
現在の中心事業である牡蠣については、『波有手の牡蠣』としてのブランディングや、レストランへの販路開拓、加工品販売など、さらに発展させていきます。波有手の牡蠣は、味がしっかりしていて、佃煮にしてもとても美味しいんですよ。

牡蠣のオフシーズンについては、すだて遊びの普及に力を入れていこうと思っています。すだて遊びは大阪ではここの漁港周辺でしかできない、貴重な体験です。これは潮が引いたときに歩いて帰っていけるような遠浅な浜がある場所が、大阪ではこの場所しかないからです。

そして最も重要な使命と考えているのが、漁師や地域の高齢者、福祉施設に通う方々など、地域の多様な人たちと共に働く『漁福連携』の推進です。漁師鮮度は、『地域のプラットフォームを目指して』というスローガンを掲げています。その肝となるのが、この取り組みです。これをしっかりと事業として形作っていきたいですね。

Shop Data / 店舗情報

株式会社漁師鮮度

公式サイト https://ryoushi-sendo.co.jp/

執筆者名

編集部

うまい!泉州編集部

関連記事