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農業の入り口として 株式会社泉州アグリ 加藤秀樹

2023.3.28

農家の協力を得て、農業を志す若者や働きたくても働けない若者の受け皿として、就労支援ビジネスを手掛ける、株式会社泉州アグリの加藤さんにお話を伺ってきました。
株式会社泉州アグリ代表
加藤秀樹

泉州アグリについて

―読者に向けて、泉州アグリの活動について教えてください。
就労支援のツールとして、農業を使った事業を展開しています。当社の農地での野菜の生産、販売、加工、堆肥づくりのほか、業務請負という形で人手の足りない農家に数人のユニット単位で常駐して、収穫などをスポット的におこなったりもしています。

年間160種類の野菜を栽培

―現在こちらでは、どのくらいの農地を所有されているのでしょうか。また、それぞれの畑でどんな農作物を育てているのでしょうか。
全部で8町、20の畑を所有していて、春夏で約80種、秋冬で約80種、年間で約160種の野菜を作っています。その中で主力として少しずつ安定して量産できているのが、とうもろこしとブロッコリーです。
とうもろこしは6月~7月、ブロッコリーは11月から3月まで収穫出来るように作付けしています。たとえばホテルなどに納品する場合、最低2カ月は継続して同じ野菜を納める必要があります。だから継続して収穫が出来るようにしています。しかしそれでもブロッコリーのシーズンが終わった時、次に出せる物がないと年間を通した取引にはならいですよね。だから年間を通して、何かしら商品を提案出来る環境を作る必要があるわけです。

―東京ドームが大体4.7町なので、8町といえば相当な広さのように思います。ゼロから始めて、どうやってここまで畑を広げてこられたのでしょうか。
最初は土地もですが、知識もノウハウも何もないので、『アグリヘルパー』と銘打って農家にお手伝いに行きました。つまり、ボランティアでお手伝いをする代わりに、知識とノウハウを教えてもらうわけです。それが結果、お手伝いが終わるころには、使っていない畑を任せられるようになって、徐々に増えていきました。あとは農家の皆さんの高齢化や後継者不足も相まって、自然と増えていきました。

―作られた農作物は、どういった所で購入が可能でしょうか。
大阪難波のスイスホテルで食べる事ができます。そのほか北花田の無印、ららぽーと堺、スーパーではオークワ貝塚三ツ松、和泉小田店、和泉中央店に置いています。

体験と学びの場 泉州アグリカレッジ

―泉州アグリカレッジというのはどういった事業でしょうか。
これは農業を体験して学ぶ事が出来る場を提供する事業です。泉州アグリ以外に、青森で“りんご”生産体験と、石川県で“なし”生産体験ができます。期間は1週間から3週間のコースを用意していて、月1回ぐらいの開催です。そのほかイベントとして、2泊3日の短い体験なども開催しています。
当社は多品種多品目で都市型農業をしていますが、量産型や地方型、果樹に畜産など農家にも色々な類型があります。そんな中で、自分に合う農業を見つけてほしいのです。

就労支援からはじまった泉州アグリ

―事業の成り立ちについても教えてください。
もともとは就労支援の母体を3、4人で運営していて、その中の事業部の1つとしてアグリ事業部を立ち上げました。その際ブランディング上、農産物を就労支援事業の授産品という形ではなく、『ねね屋』という屋号で展開する事に決めました。これは食の台所である大阪の、豊臣秀吉の本妻の名前から付けています。事業の背景よりも、野菜自体の品質で勝負したいという思いから、このような形をとっています。

新規就農というと、結構ハードルが高いイメージがあると思うんです。もちろん実際に大変な事も多いんですが、そのイメージが先行してしまって、参入障壁になっている面もあります。だから、種を植えて発芽して収穫するという、農業の醍醐味・喜びみたいなものを、体験してみることが出来る場があるといいんじゃないか、というところから始まっています。

農業の入り口として

―今後の展望ついてお聞かせください。
農業には、しんどい、きつい、給与が安いといったイメージが未だに根強いですが、環境の改善や稼げる土台作りをして、就農を支援していきたいですね。
専門性が高く、素人にはなかなかハードルが高いと思われるかも知れませんが、少しでも興味があれば気軽に来て、少しだけでも体験してみてほしいです。そういった農業の入り口としての役割を、担っていきたいと思っています。

Shop Data / 店舗情報

泉州アグリ

公式サイト http://www.s-agri.jp/

執筆者名

編集部

うまい!泉州編集部

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