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泉北をレモンの街に 泉北レモンの街ストーリー 苅谷由佳

2023.3.22

もとは市民グループの活動から、現在は独立して活動されている一般社団法人泉北レモンの街ストーリー代表理事の、苅谷さんにお話を伺いました。泉北レモンの街ストーリーは、泉北の街をレモンあふれる街にすべく、いろいろな取り組みをしています。
一般社団法人泉北レモンの街ストーリー代表理事
苅谷由佳

それではさっそく、活動の内容についてお聞かせください。泉北レモンの街ストーリーの活動は、3本の柱が中心となっているんですよね。

1.泉北の街のあちこちで、レモンを見ることができる風景づくり

私の両親が泉北ニュータウンに家をもとめたのは、泉北ニュータウンまちびらきがされた直後でした。それから約50年。父が庭に植えた2本のレモンの木は、毎年300、400個の実を付けるようになりました。まちを再び盛り上げようという市民グループに2014年に参加した私は、前々から、泉北のお土産が欲しかったこと、堺市南区泉北の気候、風土、環境が柑橘類の栽培に適していること、泉北にはシンボル・象徴が必要なことを感じており、みなさんの前で、「泉北をレモンの街にしたい、レモンを泉北の特産品にしたい」とプレゼンを行いました。そこで、私の他に12名のメンバーの皆さんとスタートした活動です。

泉北レモンの街ストーリープレート

ー泉北レモンの街ストーリーといえばやはりこのレモンプレートですね。

はい、この『泉北レモンの街ストーリープレート』は、私たちの活動においてとても大切な意味を持ちます。私たちの活動は、当初から補助金・助成金等もらっていないため、レモンプレートを手作りし、それを活動資金にしようとなりました。500円の協力金をいただき、このプレートをお渡ししているのですが、現在では1,800枚を超えるプレートを発行しました。(2023年3月5日現在)
「既存」の頭文字Kで始まるプレートが80、「新規」で苗木とともに購入いただくNで始まるプレートが1,800となりました。
―2015年からスタートしてその数はすごいですね。
この活動にご賛同いただきレモンを育ててみたいというまちの皆さまはじめ、幼稚園、小・中学校、高校やいろいろなお店、会社、郵便局からもお声をかけていただき、植えてもらっています。きちんと育てていただけるよう、メールマガジンで肥料の時期など四季折々のレモンのお世話についての情報共有もしています。
活動当初から、メンバーの皆さんや、その後加わった仲間など、たくさんの人に支えられて活動を続けてくることができました。

その後公社茶山台団地や南海電鉄の協力なども得て、いろいろな所に植樹が進んでいますね。活動実績が認められ、徐々に協力者が増えてきていると感じられますか。

それはとても感じています。中でも、泉北高島屋からお声がけがあったことは大きな前進となりました。かなり活動の初期だったんですが、私たちの目指す方向と、泉北をみんなが憧れる街にしたいという泉北高島屋の目指す未来が一致しているという事で、協力をいただけました。今では泉北レモンフロマージュやマーマレード、クラフトコーラを販売してもらっています。

そのほか、パンやスイーツなどで、たくさんのお店においしい商品を作っていただいています。また、学校の授業等に協力もしています。

私自身は、2016年に大阪府農業大学校に通い、2017年から徐々にレモンの苗木を植樹し、現在は約200本のレモンを育てています。

2.泉北レモン®を泉北の特産品に

泉北高島屋では、いろいろな催しで泉北レモンのお菓子なども販売されていますね。さらに、ふるさと納税の返礼品にも登録されているとお聞きしました。
レモンの木を植えるだけでなく、お土産というものも絶対に必要だと思っていました。とはいえ、お店があるわけではないので、私たちは、瓶などで扱いやすいものを中心に作っています。フロマージュとマーマレード、クラフトコーラは地元の業者に作ってもらって、泉北高島屋やカフェで委託販売しています。
現在では、『堺市優良観光みやげ品』、『大阪産(もん)』、『堺のめぐみ』、にも認定されているんですよ。

3.『泉北レモンフェスタ』を毎年3月に開催

ーレモンフェスタもずいぶんと回を重ねていらっしゃいますね。
毎年継続することが大事だと思っています。、今年(2023年3月)第8回目の泉北レモンフェスタを開催しました。プレート付きのレモンの苗木の販売をし、泉北レモンを使ったスイーツやパン、ドリンクも販売しています。そのほか、いろいろなお店や会社のご協力を得て、レモンのワークショップやセミナーも実施しています。地元の中学生や高校生の泉北レモンの取り組みの発表など、たくさんの皆さまにご協力いただき、いろいろな角度からPRをしていくことで、泉北=レモンの街というイメージを浸透させていきたいですね。

泉北の街をレモンの街に

―最後に、今後の展望についてお聞かせください。
街の入り口って、駅だと思うんですよね。レモンに染まった列車が駅に入って、ドアが開いた瞬間に、レモンの香りがする。そんな風景を夢見ています。たとえば港町なんかに降り立つと、潮のにおいがしますよね。そんな感じで、レモンの香りが迎える街にしたいです。そして、まちのあちこちに、いろいろな泉北レモンをつかった商品、お土産を買えるところがあって、まちの人の生活のすぐそばにレモンがあり、それぞれがレモンをかこむ物語をつむいでいる、そんな「泉北レモンの街」になったら、と思っています。

―それはすごいですね(笑) 苅谷さんの熱量を感じます。
泉北をレモンの街にするには、とても時間がかかると思っています。数十年先、50年先の泉北ニュータウンまちびらき100周年の先を見つめて、たくさんの人に力を貸していただきながら、いつか、「みんなで泉北をレモンの街にしてきたね。」と言える未来を夢見ています。

まだまだ他の地域には『泉北=レモン』のイメージは薄いかも知れませんが、着実に苅谷さんたちの活動は地域に根を張っていると感じました。今後のさらなる活動が楽しみです。

執筆者名

編集部

うまい!泉州編集部

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